開講年度2016
科目名文学Ⅰ
(全)開講学科商学科 2013年度以降入学
経済学科 2013年度以降入学
法律学科 2013年度以降入学
法律学科 2007-2012年度入学
現代社会法学科 2013年度以降入学
現代社会法学科 2007-2012年度入学
総合政策学科 2013年度以降入学
総合政策学科 2008-2012年度入学
心理学科 2013年度以降入学
心理学科 2010-2012年度入学
健康科学科 2015年度以降入学
健康科学科 2013-2014年度入学
健康科学科 2010-2012年度入学
健康栄養学科 2013年度以降入学
健康栄養学科 2012年度入学
健康栄養学科 2008-2011年度入学
開講種別春学期
対象学年1年
担当者河野 敏宏
単位数2
曜日・時限春学期 火曜日 1時限
キャンパス日進キャンパス


サブタイトル
現代日本語の「発音」を見直してみよう!
科目のねらい
 教養部カリキュラムポリシーのひとつである「基礎学力の育成」「リベラル・アーツの修得」に従い、日本語音声の特徴について考える過程を通じて、多様な知識を獲得すること、及び、一般的諸現象の背後にある原理を理解する深い洞察力を涵養すること、を目指します。科目名は「文学Ⅰ」ですが、この講義では、いわゆる「文学作品」は対象とせず、文学作品を含む様々な言語表現の根幹をなしている「日本語」そのものについて解説します。日本語には様々な側面がありますが、この講義では、特に、みなさんが今までほとんど注意を払ってこなかった「発音」を取り上げます。
到達目標
 私たちは、普段、特に困難を感じることなく、日本語の音声を発し、聞き取り、それによって意味の伝達をしています。しかし、母語である日本語のこうした運用能力は、無意識のうちに獲得されたものであり、日本語がどういう言語であるのかということを理解した上で獲得されたものではありません。この講義では、どのような口構えで音声を形作っているのか、どのように音を認識しているのか、なぜ外国語の発音は聞き取りにくいのか、等に関する様々な具体的なテーマを設け、その答を考えることを通じて、現代日本語の音声・音韻・音節の特徴を理解することを目的とします。
 なお、日本語の「発音」について理解することは、外国語の「発音」を理解することにもつながるので、この授業は外国語の「発音」習得にも役立つでしょう。
授業の内容・
計画
次のような具体的テーマで講義します。
1.ガイダンス…………本講義の目的、内容の概説、受講上の注意など。
2.音声器官(1)…………「口の中のどこを利用して音声を形作っているのだろうか?」また「母音と子音とは何が違うのだろうか?」音声器官の名称・位置・動き、を理解する。
3.音声器官(2)…………「有声・無声とはどういう調音方法だろうか?」声帯と有声・無声との関係について理解する。
4.母音の分類(1)…………「私たちはどのようにして様々な母音を形作っているのだろうか?」母音を分類する観点を理解する。
5.母音の分類(2)…………「外国語の母音はどうやって形作ればいいのだろうか?」基本母音を理解する。
6.子音の分類(1)…………「私たちはどのようにして様々な子音を形作っているのだろうか?」子音を分類する観点及びその観点から見た破裂音・鼻音の特徴を理解する。
7.子音の分類(2)…………「私たちはどのようにして様々な子音を形作っているのだろうか?」子音を分類する観点及びその観点から見た摩擦音・破擦音・はじき音の特徴を理解する。
8.音韻の定義…………「実際には異なった音声を聞いているのに、同じ音に聞こえてしまう場合があるのはなぜなのだろうか?」音韻という概念を音声と対比させて理解する。
9.音素一覧…………「私たちは何種類の音を聞き分けているのだろうか?」現代日本語(共通語・標準語)の音素の種類を理解する。
10.特殊音素…………「「いった」の「っ」はどのような音なのだろうか?」特殊音素を理解する。
11.相補分布…………「「にほんご」「にほんとう」「にほんばし」の「ん」は同じ音に聞こえるのに、「ま」「な」は異なる音に聞こえるのはなぜなのだろうか?」異なる音声が同じ音に聞こえる仕組みを理解する。
12.音節の特徴(1)…………「「ダルマサンガコロンダ」を10数える代用にできるのはなぜなのだろうか?」日本語音節の特徴のひとつである「等時性」を理解する。
13.音節の特徴(2)…………「「鯛」は「めでタイ」、「昆布」は「よろコブ」。日本語ではなぜ掛詞を作りやすいのだろうか?」日本語音節の特徴のひとつである「種類の少なさ」を理解する。
14.音節の特徴(3)…………「英語の歌詞の歌を歌うと、どうしても早口になってしまうのはなぜなのだろうか?」日本語音節の特徴のひとつである「開音節性」を理解する。
15.まとめ…………文学Ⅰのまとめ及び定期試験に関する諸注意。
評価方法
(基準等)
 定期試験の成績を100%として評価します。ただし、遅刻・欠席をするなど受講態度の良くない点については10%の範囲内で減点します。また、無断退室等、受講態度の極めて悪い者に対しては、大幅な減点を含む厳しい対処をします。
授業外の学修
(予習・復習)
 下記参考書を予習・復習に役立ててください。また、日頃から日本語の様々なありかたをよく観察するようにこころがけ、興味・疑問をもった表現・現象があったら、すぐにその場でメモを取っておいてください。それらの表現・現象についての質問があれば答えますし、また、それらが授業内容に関することであれば、できるだけ授業でもとりあげて解説します。
教科書・
参考書
 教科書は使用しません。適宜、プリントを配布します。なお、本学図書館には、『日本語大事典』(810.3/052/1~2)・『日本語学研究事典』(810.3/051)・『国語学大辞典』(810.3/032)・『音声学大辞典』(801.1/03)等が開架されており、授業で扱う様々な事柄についての詳しい解説が掲載されています。いずれも、授業内容をより深く理解するために有益な参考書です。
参照URL
質疑応答
 質疑応答は、授業中または河野の研究室で行います。河野の研究室は2412(2号館4階)です。オフィスアワーは「木曜日の2限~昼休み」ですが、在室時は随時応対します。
備考
 受講者多数の場合には、座席指定を行うことがあります。
 日本語について様々な疑問・関心を持っている人の受講を望みます。
 
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更新日付2016/02/09 16:55:18