開講年度2015
科目名国家と宗教
(全)開講学科宗教文化学科 2013年度入学
宗教文化学科 2008-2012年度入学
現代社会法学科 2013年度以降入学
現代社会法学科 2007-2012年度入学
開講種別秋学期
対象学年3年
担当者堅田 研一
単位数2
曜日・時限秋学期 水曜日 1時限
キャンパス


サブタイトル
宗教判例を基に、国家と宗教の関係を考える
科目のねらい
信教の自由の意義を歴史的、原理的、憲法学的に考察することによって、人権の意味を理解させることをねらいとする。
到達目標
信教の自由とは、近代法の最も重要な基本原理の一つである。その性質をどう捉えるかは、人権の理解にとって決定的な意味をもつ。この講義では、まず、近代国家の形成において、寛容の原理と近代自然権思想の果たした思想史的意味をたどりながら、その原理的な意味を理解する。次に、憲法における信教の自由と政教分離に関する学説を検討する。そして最後に、これらの理解を基に、日本における代表的な宗教判例を検討する。
実は信教の自由の問題は、なぜ法に従わねばならないのかという法の大問題に通じている。この講義によって、受講生諸君が、法を原理的に考えることのできる力を身につけ、法の原理、とりわけ人権の観点から法的問題に対処できるようになることが、この講義の目標である。
授業の内容・
計画
1.イントロダクション―この講義の目標
2.中世における国家と宗教
3.近代国家の構成原理―ホッブズ、ロックの社会契約論について
4.寛容の原理について(1)―ロック寛容論
5.寛容の原理について(2)―ロック寛容論(続き)
6.信教の自由に関する原理的・思想史的考察
7.憲法学における信教の自由の考え方
8.人権の性質をめぐる論争―人格的利益説対一般的自由説
9.加持祈祷治療と信教の自由の限界
10.剣道の不受講と信教の自由
11.政教分離に関する原理的な検討
12.憲法学における政教分離の学説の検討
13.神道式地鎮祭と政教分離
14.玉串料としての公金支出と政教分離
15.政教分離に関する判断基準

レジュメを配布し、それに基づいて講義を行うという形式で授業を進める。
評価方法
(基準等)
学期末の定期試験(100点満点)によって評価する。1回小テストを実施し、10点満点で採点し、定期試験の点数に加算する。なお、受講者の数によっては授業への参加度を加味することがある。その場合には、その旨、及び成績への加算の仕方について、最初の授業のときに明示する。
授業外の学修
(予習・復習)
事前にレジュメや資料を配布するので、それを読んで授業の準備をしてほしい。授業には必ず出席し、ノートとレジュメ・資料によって復習すること。参考文献の使い方については授業中に指示する。
教科書・
参考書
テキストは特に指定しない。
(参考文献)芦部信喜『憲法』(第5版)、岩波書店、2011.3.10 ¥3,100+税。
参照URL
質疑応答
原則として、オフィス・アワーにおいて対応する。火曜日3限、私の研究室(6516)にて行う。これ以外の時間でも、対応可能な場合にはいつでも質問に対応する。
備考
授業中の私語は厳禁する。授業中の携帯電話操作は禁止する。
卒業・進級・就職・部活動その他を理由とした単位認定の特別扱いは、一切行わない。
画像
ファイル
更新日付2015/02/09 11:32:04