開講年度2015
科目名中小企業事例研究
(全)開講学科経営学科 2007-2012年度入学
現代企業学科 2008年度以降入学
開講種別秋学期
対象学年3年
担当者林 伸彦
単位数2
曜日・時限秋学期 木曜日 3時限
キャンパス


サブタイトル
成長事例に学ぶ中小企業経営の実態
科目のねらい
 一般に、中小企業は大企業に比べて保有する経営資源(人材・資金・設備・情報など)が少ない。単純に考えると、中小企業と大企業が同じ経済のなかに存立しているならば、中小企業は大企業との競争に負け淘汰されてしまう。しかし、現実には日本経済の大部分は中小企業によって占められている。そればかりか、中小企業のなかには業界でトップシェアを獲得し、大企業をしのぐような利益率をあげている企業も少なくない。その理由について、実態に即して理解を深めることが本講義のねらいである。
到達目標
 本講義では成長を遂げている中小企業の実際の事例を経営的・戦略的側面から分析し、その秘密を探ることを通して、現代中小企業経営のあるべき姿を自らの手と目で明らかにする。時間の関係上、十分な数の企業を取り上げることは難しいが、そのなかから成功のヒントを見つけ出し、最後にレポートとして整理するなかで自身の中小企業経営論を完結させることを目標とする。
授業の内容・
計画
ひと口に中小企業と言っても、企業によって置かれた環境も保有する経営資源も異なる。したがって成長のための経営や戦略も様々である。本講義では毎回の授業で原則的に1社ずつ事例を取り上げて分析し、その成功のポイントを明らかにする。ここで行う分析とは、経営分析のなかでも主に戦略分析であり、財務分析ではないことを付言しておきたい(個別中小企業の財務データの入手は極めて困難である)。
 方法は、まず授業の最初に事例企業の資料を配布する。資料は『日経ビジネス』、『日経トップリーダー』、『調査月報(日本政策金融公庫)』などに、この2~3年内に掲載された企業事例から、①事業内容の分かりやすさ、②戦略の明確さ、③(できれば)東海・北陸の地元企業であること、を基準に選ぶ。受講生からの希望があれば、それも取り入れたいと考えている。
 配布された資料を精読したうえで、ワークシートに従って内容を整理・分析し、当該企業の成功要因を導き出す。最後に、事例についての簡単な説明とまとめを行い、自身の分析結果と合わせて理解を深めていく。時間的余裕があれば、受講生からも分析の結果や成功のポイントなどを発表してもらいたい。
 以上のように、本講義は講義科目のひとつではあるが実習的性格の強い授業であるので、その点を承知したうえで受講してほしい。昨年度のスケジュールは次の通りであるが、事例企業の大部分は入れ替えることにしている。
 第1回 ドロップス   第2回 アズコミュニケーションズ   第3回 市川クリーニング商会  第4回 ホワイトプラス 第5回 八面六臂 第6回 酒舗まさるや   第7回 マンチェス    第8回 がブリチキン。    第9回 長谷製陶     第10回 とり源太 第11回 三谷製菓     第12回 アスク    第13回 ハイパーネット①  第14回 ハイパーネット②    第15回 期末レポート作成
 なお、上記の事例分析のほかに毎回ビデオを用いて地元企業を中心として別の企業事例も紹介するので、就職活動の情報源のひとつして活用されることを期待する。
評価方法
(基準等)
平常点90点、期末レポート10点(筆記試験は行わない)。
 *平常点:ワークシート、受講態度((大幅な遅刻や途中退出、居眠り、私語 などは減点)、ビデ         オの感想文などによって評価する。
 *期末レポート:授業での分析結果をもとに成功要因をまとめる内容である。
 なお、公欠を含む5回以上の欠席は失格(したがって欠席は4回まで)とするので、特に4年生や部活で欠席が見込まれる学生は注意してほしい。
授業外の学修
(予習・復習)
 毎回取り上げる事例企業は、おそらく初めて出会う企業ばかりであろう。そこで、授業後に再度、資料を読み返してほしい。特に企業の資料と授業の最後に配布されたまとめのワークシートを照らし合わせて、それぞれの理解を深めておくこと。
 また新聞・雑誌やテレビ等で、中小企業に関するニュースを意識的にチェックするようにし、授業以外でも現実社会における中小企業の状況をリアルタイムで把握しておいてほしい。
教科書・
参考書
 毎回、事例の資料を配布する。テキストは使用しない。資料やワークシートを保管するためのファイルを準備するとよい。
 なお、自分でも中小企業を勉強したい学生には、関心に応じて適切な文献を紹介するが、とりあえずはつぎのものが参考になろう。
小川英次他『中小企業のマネジメント』中央経済社、2011年、3,600円(税別)。図書館情報センター請求記号【335.3/01003】
参照URL
質疑応答
 本講義に関する授業時間外での質問等は、担当者(林伸彦)の研究室まで。オフィスアワー以外でも在室していれば随時対応するので、気軽に来てもらいたい。
備考
 朝早い授業ではないので、遅刻は厳禁とする。入室後は脱帽し、机上には携帯電話や飲み物等、授業に関係のないものは置かないこと。もちろん私語や授業中の教室の出入りも禁止する。
 できれば座席を指定したいので、第1回目の授業には必ず出席してほしい。
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ファイル
更新日付2015/02/16 09:50:36