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科目のねらい | | 「葬式仏教」という言葉がある。これは、今日の日本仏教が、葬儀と法事のみに尽力し、他の活動に積極的に関わっていないことを批判的に表現したものだと一般に理解されている。確かに、この批判がまったくの的外れであるとは言い難い。だが、その反面、「葬式仏教」を仔細に分析すると、そこには日本人の死生観や宗教意識の本質的な要素のみならず、民俗的、社会的な様々な要素が複雑に絡み合っていることが窺われる。その意味で、「葬式仏教」は日本文化の一つの象徴的な複合体だと言うことも可能である。 本講義では、「葬式仏教」を様々な角度から考察することで、現代にまで伝わる日本文化の様々な諸相を明らかにすることにしたい。なお、本講義は基本的に教員による講義形式で行うが、理解を深めるためにビデオ教材の視聴も取り入れる予定である。 |
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到達目標 | | 本講義では、葬式文化を手掛かりとしながら、仏教を中心とした日本文化を様々な角度から考察する。そのために、大きく分けて三つのテーマを取り上げる。第一は、葬式における一連の儀式を分析し、そこに込められた文化的な要素を明らかにする。第二は、人々が仏教に期待する「力」の源泉を探求する。第三に、葬式の文化を超えて、現代の日本における仏教の新たな役割を考える。したがって、受講生は本講義をとおして、仏教が現代の我が国の文化の中で果たしている総合的な役割を理解することが目標となる。 |
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授業の内容・ 計画 | | 1.日本の「葬式」(1) 2.日本の「葬式」(2) 3.葬式仏教の文化Ⅰ(死をめぐる民俗的慣習) 4.葬式仏教の文化Ⅱ(この世とあの世の世界観) 5.葬式仏教の文化Ⅲ(遺体の処理と墓碑の建立) 6.葬式仏教の文化Ⅳ(葬式の目的) 7.葬式仏教の文化Ⅴ(ケガレの観念) 8.葬式を支える仏教の力Ⅰ(仏の力) 9.葬式を支える仏教の力Ⅱ(法の力) 10.葬式を支える仏教の力Ⅲ(僧の力) 11.葬式を支える仏教の力Ⅳ(寺の力) 12.「葬式仏教」の超克Ⅰ(アジアの事例を参考に①) 13.「葬式仏教」の超克Ⅱ(アジアの事例を参考に②) 14.「葬式仏教」の超克Ⅲ(日本における新たな試み) 15.まとめ |
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評価方法 (基準等) | | ビデオ教材を視聴する際には小レポートを提出してもらいます。また、学期末には講義全体を範囲として試験を行います。これらの小レポートと期末試験の成績を総合した上で(100%)、授業への積極的参加による加点(最大10%)、受講態度、受講意欲などに問題がある場合には減点(最大40%)を行い、最終評価を決定します。 |
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授業外の学修 (予習・復習) | | 基本的には自発的な復習を要求する。参考文献を講義中に適宜紹介する。自宅にて、自らそれらの箇所を講読すること。 また、具体的なイメージを理解するために、様々な展覧会などをできるだけ見学することを期待する。 |
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教科書・ 参考書 | | ・テキストは特に指定しません。 ・参考文献は講義中、随時指示します。 |
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参照URL | | |
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質疑応答 | | ・質問や問題提起等を歓迎する。講義の内容に直接関係する質問等は、講義中随時受け付ける。その他の質問等は、講義の終了後に申し出ていただきたい。または、禅研究所か、研究室(3431)まで連絡して下さい。 |
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備考 | | ・受講者は最初の講義に必ず出席すること。 ・講義中の退室、私語、携帯電話やメール等の使用は厳禁する。なお、何らかの事情でそうした行為が必要になる可能性がある場合、事前に申し出て下さい。 |
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更新日付 | | 2015/02/07 18:10:32 |