サブタイトル | | |
|
科目のねらい | | 中国撰述経典とは、インドや西域諸国で成立した経典を漢訳したのではなく、文字通り中国において漢文で撰述された経典をいいます。「偽経」とも、「疑経」ともいいます。 インドで成立した仏教が、全く異質の文明圏である中国で受け入れられるためには、儒教や道教といった中国固有の宗教思想を取り入れて、中国人のニーズに応えることが必要不可欠でした。こうした、中国人のニーズに合わせるかたちで中国で編纂された経典が、中国撰述経典です。 この授業では、中国撰述経典について概説すると共に、中国撰述経典のなかでも、特に儒教や道教といった中国固有の宗教思想の影響が濃厚な『盂蘭盆経』と『父母恩重経』を取りあげて講読します。 |
|
|
到達目標 | | 中国撰述経典である『盂蘭盆経』や『父母恩重経』の講読を通して、中国人のニーズに合せた仏教とはいかなるものかを理解し、中国人の思想や仏教観、或いは中国撰述経典に依拠した現在の中国・日本の民間信仰について知ることを目標とします。 また、経典本文を読み進めることにより、漢文経典の基本的な読解力を養うことも目標とします。 |
|
|
授業の内容・ 計画 | | 1.中国撰述経典についての概説 2.敦煌出土の疑偽経典 3.七寺一切経の疑偽経典 4.『大正蔵』所収の中国撰述経典 5.『盂蘭盆経』の講読と思想研究(1) 6.『盂蘭盆経』の講読と思想研究(2) 7.『盂蘭盆経』の講読と思想研究(3) 8.『盂蘭盆経』の講読と思想研究(4) 9.『盂蘭盆経』の講読と思想研究(5) 10.『父母恩重経』の講読と思想研究(1) 11.『父母恩重経』の講読と思想研究(2) 12.『父母恩重経』の講読と思想研究(3) 13.『父母恩重経』の講読と思想研究(4) 14.『父母恩重経』の講読と思想研究(5) 15.秋学期のまとめ
講義や漢訳経典の講読と併せて、中国撰述経典に依拠した現在の中国・日本の民間信仰に関する画像・映像資料も見ていきます。 |
|
|
評価方法 (基準等) | | * 定期試験(60%)と、授業での小テストや小レポート(40%)に授業態度を含めて総合評価します。 |
|
|
授業外の学修 (予習・復習) | | 講義のなかで、多くの旧漢字や仏教用語を使用しますが、講義の進行上、それら一々について細かく立ち入って解説することは困難です。 復習として、講義の内容の確認はもちろんのこと、講義のなかに出てきた旧漢字や仏教用語について必ず調べ、覚えるようにしてください。 また、予習として、講読する経典の該当する箇所を確認して、そのなかに使われている仏教用語について調べておいてください。 |
|
|
教科書・ 参考書 | | ≪教科書≫ * 授業のなかで、適宜プリントを配布します。 ≪参考書≫ * 『仏教の東伝と受容』(新アジア仏教史6巻) 佼成出版社、2010年 【180.2/0625/6】 * 大野榮人・武藤明範「中国仏教と『盂蘭盆経』」(立川武蔵編『アジアの仏教と神々』、2012年、法蔵館)【180.2/0674】 |
|
|
参照URL | | |
|
質疑応答 | | |
|
備考 | | * この講義の内容は秋学期の「仏教の中国的展開Ⅰ」と連動しているので、「仏教の中国的展開」Ⅰ・Ⅱと継続して受講するようにしてください。 * 講義中の入退室、私語、携帯電話の操作など講義に関係のない行為は禁止します。 |
|
|
画像 | | |
|
ファイル | | |
|
更新日付 | | 2015/02/07 17:51:51 |