開講年度2015
科目名生体材料・歯科材料 (春)
科目ナンバー
開講学科歯学部歯学科 2002-2014年度入学
(全)開講学科歯学部歯学科 2002-2014年度入学
部門専門  
開講種別通年
対象学年2年
担当者河合 達志
実務経験教員
関連性が高いディプロマ・ポリシー
単位数3
曜日・時限通年 月曜日 1時限 楠元第2講義室


コーディネーター
担当講座
歯科理工学講座
担当者
主任教授:河合逹志、准教授:林 達秀、助教:朝倉正紀、非常勤教授:伴 清治
授業の概要
(目的)
 生体材料・歯科材料学は高度かつ精巧な歯科臨床を実施するために必要な生体材料・歯科材料、機械器具についてその理論と取り扱い法を学ぶ学問である。物理学、化学、生物学等を包含する歯科基礎科学が主としてその基礎となるので豊富な科学的基礎知識を持たねばならない。
 総論として生体材料・歯科材料を構成する素材と性質について学び、さらにそれぞれの素材から作られた種々な歯科用材料について詳細に学ぶ。
教材(教科書、
参考書等)
『教科書』
◯「明解歯科理工学(第2版)」長谷川二郎他著、学建書院
◯「臨床歯科理工学」宮崎隆他 編著 医歯薬出版

『参考書』
◎「歯科理工学教育用語集」日本歯科理工学会編者 医歯薬出版
講義(実習)
の方法・形式
板書、液晶プロジェクタによる説明、歯科材料の取り扱い実演。
必要機器
課題
(定期試験・
レポート試験・
授業内試験)の
フィードバック方法
講義・実習
講義(実習)項目・一般目標(GIO)講義(実習)内容・到達目標(SBOs)・
予習・復習
担当者
1[生体材料・歯科材料総論]
1.歯科理工学とは
2.歯科材料の歴史
[材料の素材]
1.材料の概要
1)無機材料
2)有機材料
3)金属材料
4)複合材料
5)傾斜機能材料
●歯科理工学の意義を理解させると共に古くから多種多様な材料が使用されている歯科材料の歴史をたどる。
  役割と関連科学分野の進歩に伴って改良がなされ、現在の歯科材料のあることを学ぶ。
◯「明解歯科理工学」P.1-6
●生体材料・歯科材料の素材は構成する物質により無機材料、有機材料、金属材料におよびこれらを複合した複合材料に分類されており、これらの材料の基本的知識を学ぶ。
◯「明解歯科理工学」P.37-54
 E-1-①②③④
河合 逹志
2〔物質の性質〕
1.物理的性質
1)物質的性質(狭義)
2)機械的性質
2.機械的性質
1)応力の種類とひずみ
2)応力―ひずみ曲線と機械的性質
3)弾性係数・降伏値・最大強さ・伸び
4)弾性と塑性
5)粘性と粘弾性
6)歯科材料として要求される機械的性質
〔材料試験法〕
1.引張試験
2.圧縮試験
3.硬さ
4.衝撃試験
5.疲労試験
●材料の物理的性質と機械的性質の基本的な差異およびそれぞれの性質にはどのようなものがあるかを学ぶ。それらの性質を理解することによって口腔内の特殊な環境で使う歯科材料の選択に役立つことを理解させる。さらに口腔内では常に修復物に対して咬合力が負荷されていることから外力とそれにともなうひずみについて学ぶ。
◯「明解歯科理工学」P.16-27
●機械的性質にはどのような材料試験法によって知ることができ、それは何を意味しているかを具体的に解説する。繰り返し負荷されている咬合力に耐える強さを硬さ、伸び、曲げ強さ、引張強さ、疲労強さなどと関連して学ぶ。
◯「明解歯科理工学」P.21-25
 E-1-②
伴 清治
3〔物質の性質2〕
3.生物学的性質
4.化学的性質
〔腐食〕
1.腐食の定義
2.腐食の分類
3.電気化学的腐食理論
4.腐食に伴う現象
5.口腔内における金属の腐食・変色
6.歯科用合金の腐食試験法

〔表面の性質〕
1.光学的性質
2.表面および界面の性質
3.表面性状と接着
4.表面エネルギーとぬれ性
5.接触角
6.ぬれ性と接着強さ
●歯科材料の生物学的性質、化学的性質について解説する。
◯「明解歯科理工学」P.27-29
●金属は口腔内のような湿気のある環境では化学反応がおこりやすく、変色やイオンの溶出、腐食が生ずる。この腐食により審美性が劣るのみならず機械的性質が低下し、アレルギーを発症させる抗原を生じることがある。この腐食のメカニズムを学び腐食の抑制法さらに試験法について学ぶ。
◯「明解歯科理工学」P.30-35
●歯科材料の光学的性質、表面および界面の性質について解説する。光学的性質は天然歯列の色調観を回復する上で重要で、この光学的性質にかかわる基礎的知識を学ぶ。歯科修復においては接着にかかわる知識が必要である。この接着とはどういう機構で成立するかを学ぶ。歯や歯科材料の表面エネルギーが接着にどのようにかかわるかを学ぶ。とくに、物体の表面性やぬれ性が物体との接着強さにどのような影響を及ぼすかを学ぶ。
◯「明解歯科理工学」P.35
 E-1-②
伴 清治
4〔無機材料〕
1.無機材料とは
2.無機材料の分類
3.無機材料の性質
●無機材料の概念を説明できる。
●一般的な素材としての無機材料の分類を理解し、歯科材料のどのようなものに無機材料が使用されているかを理解する。
●無機材料の一般的な性質を、有機材料、金属材料と比較して説明できる。
◯「明解歯科理工学」P.37-45
◎「臨床歯科理工学」P.349-358
 E-1-①②③④
伴 清治
5-6〔有機材料〕
1.有機材料とは
2.有機材料の分類
3.有機材料の性質
4.レジンの重合機構
●有機材料の概念を説明できる。
●歯科におけるレジンの殆どがアクリル系であることを理解し、その構造を説明できる。
●有機材料の一般的な性質を、無機材料、金属材料と比較して説明できる。
●レジンはどのように硬化するのか、その反応機構から説明できる。
◯「明解歯科理工学」P.46-54
◎「臨床歯科理工学」P.339-349
 E-1-①②③④
伴 清治
7-9〔金属材料〕
1.合金の状態図
1)状態図の意義
2)相律
3)合金の平衡状態図
4)状態図の種類
●合金は金属元素を混ぜ合わせて作製されたもので、歯科修復材料として重要な位置を占めている。このような合金の性質と種類は合金を構成する各成分の種類、成分割合および温度によって変化する。要求する性質を備えた合金を得るにはどのような金属をどのような割合で調合し、これをどのような温度で熱処理を行えばよいかなどの指示を与えてくれるのが状態図である。その作成法について学ぶ。
◯「明解歯科理工学」P.55-64
 E-1-①②
河合 逹志
10-12〔生体材料〕
1.歯科材料と生体反応
1)生体材料と必要条件
2)生体との親和性
〔歯科材料の規格〕
1.国際規格
2.日本工業規格
3.アメリカ歯科医師会規格
●歯科材料は口腔外で使用されるもの、口腔内で使用されるもの、そして生体内に埋め込み使用されるものに大別されるが、いずれも生体に対して為害作用があってはならない。歯科材料が生体組織に反応を生じさせる場合、それが材料の化学的性質によるものか、物理的、機械的性質によるものかを理解させ、生体反応のメカニズムと生体材料の必要条件について学ぶ。さらに歯科材料の各国の規格やガイドラインについて解説する。
◯「明解歯科理工学」P.27-36
 E-1-②③
河合 逹志
13〔歯科材料と技法〕
1.印象材及び石こう
2.ワックス、レジン、コンポジットレジン
3.セメント、陶材、アマルガム
4.鋳造、加工
●実際の印象採得の操作方法を理解する。また、印象に石膏を注入することによりどのように歯科における石膏模型が出来上がっていくかを実感する。
◯「明解歯科理工学」P.65-98
 E-2-①
●各種ワックス並びにレジン系材料の使用目的と操作方法を理解する。
◯「明解歯科理工学」P.99-172
 E-1-③④
●セメント、アマルガムの練和を理解する。また、各材料特有の練和法がなぜ必要であるかを理解する。歯科における陶材の応用を理解する。
◯「明解歯科理工学」P.129-148,233-245
 E-1-①
 E-1-④
 E-2-④
●ろう原型の作製、埋没、鋳造、研磨までの一連の作業から、鋳造技法の全体像を理解する。加工硬化、熱処理のデモを見て金属の硬さが変化する事を学ぶ。
◯「明解歯科理工学」P.265-286,307-310
 E-2-④
林 達秀
14〔石こう〕
1.石こうの構造
2.石こうの種類
1)普通石こう
2)硬石こう、超硬石こう
3.石こうの硬化反応
●石こうは模型材およびアルジネート印象材、鋳型材の結合材として用いられる。石こうは口腔内の印象採得後、この印象に注入して口腔内と同じ模型を作る。石こうは模型材としてとくに重要であるため、石こうは使用目的に応じて分類されている。ここでは石こうの製造方法と粉末状態および硬化反応について学ぶ。
◯「明解歯科理工学」P.65-69
 E-2-②
 E-1-①
 E-1-②
朝倉 正紀
154.石こうの硬化体の微細構造
5.石こうの性質
6.石こうの保存
●石こうの硬化理論から硬化体の微細構造、混水比の重要性を学ぶ。石こうの性質とくに硬化時間、硬化膨張、機械的性質とこれらに影響する因子について学ぶ。
◯「明解歯科理工学」P.69-76
 E-2-②
 E-1-①
 E-1-②
河合 逹志
留意事項
あらかじめ項目を予習し、臨む事。
授業以外の
学習方法
講義時間以外にも随時質問に応じ、広く門戸を開放しているので利用すると良い。
成績評価方法
筆記試験80%、授業中態度20%
参照ホーム
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更新日付2015/02/26 11:14:47