開講年度2015
科目名健康統計学
(全)開講学科健康科学科 2013-2014年度入学
健康科学科 2010-2012年度入学
開講種別春学期
対象学年2年
担当者大澤 功
単位数2
曜日・時限春学期 金曜日 2時限
キャンパス


サブタイトル
健康を科学的に評価するための基礎を学ぶ
科目のねらい
 健康状態を客観的に評価するためには数値化は避けられない.したがって数値を処理する統計学の知識と技術は,保健体育教師,養護教諭,健康運動指導士,言語聴覚士,ヘルスケアトレーナー等,健康関連分野の専門職には欠かせないものである.しかし従来の統計学講義では,数式や計算が主体となりやすく,そこに至るまでのプロセスや結果の解釈についてはあまり重視されてこなかった傾向にある.多様な人間を対象とした健康関連分野においては,不確定要素があまりにも大きいので,結果としての数値だけでなくプロセスや解釈にも目を向けなければならない.
 そこで本講義では,健康情報を「つくる側」と「つかう側」の両方の視点より,できるだけ多くの保健統計例を紹介し,現場で有用な基本的統計処理能力とその利用方法を習得する.
到達目標
・統計解析の必要性とその基本的事項(P値,危険率,タイプ1エラー,タイプ2エラー)について説明できる.
・偶然誤差(chance),バイアス(bias)について,具体的な例を挙げて説明することができる.
・リスクを評価する研究デザイン(コホート研究,症例対照研究)について説明できる.
・介入研究と,観察研究(コホート研究や症例対照研究等)の違いを説明できる.
・無作為割付けについて説明できる.
授業の内容・
計画
 以下の予定で,講義,演習,試験を実施する.実際の習得度に応じて変更がある.

1. 情報の妥当性と信頼性:健康情報のエビデンス
2. リスクの評価:有病と罹患,相対危険とオッズ比
3. コホート研究
4. 症例対照研究
5. データの数値化:母集団と標本集団,代表値,平均値,標準偏差,分布
6. 統計学的推計#1:標準誤差,信頼区間,平均値の比較
7. 統計学的推計#2:比率の比較,仮説検定と区間推定
8. <中間試験>
9. 研究デザイン:バイアスと偶然,年齢調整死亡率
10. 介入研究#1:ランダム化比較試験(RCT),非ランダム化比較試験
11. 介入研究#2:RCTの利点と欠点,生存曲線
12. 検査の評価:感度と特異度,ベイズの定理
13. 相関と回帰,多変量解析
14. 医療の経済的評価
15. まとめ:健康情報をつくる,つかう
評価方法
(基準等)
 中間試験結果(45%),学期末試験結果(55%)を基準として,授業への参加状況(課題提出,遅刻,早退,私語,居眠り等)等を加えて総合的に評価する.
授業外の学修
(予習・復習)
 授業中に実施する課題の内容について,復習をすること.
教科書・
参考書
[テキスト]
 テキストは指定しない.講義時に配付するハンドアウト(資料)で講義を進める.
[参考書]
縣俊彦,大澤功他著:「EBMのための臨床疫学(増補版)」中外医学社,2014.3,800円(税別)
中村好一:「基礎から学ぶ楽しい疫学(第3版)」医学書院,2012.3,000円(税別)
その他,参考となる書籍,文献等は随時紹介する.
参照URL
質疑応答
 授業前後に教室で,およびオフィスアワー時に研究室(14601)で対応します.オフィスアワー以外でも事前に連絡をもらえば可能な限り応じます.
備考
 オフィスアワーを含めて,会議等でしばしば研究室を不在とするので,メール(ohsawa@dpc.agu.ac.jp)で事前にアポをとってほしい.
画像
ファイル
更新日付2015/02/12 12:36:18