開講年度2015
科目名日本語の表現Ⅰ
(全)開講学科日本文化学科 2013年度以降入学
日本文化学科 2004-2012年度入学
開講種別春学期
対象学年2年
担当者石黒 由香里
単位数2
曜日・時限春学期 金曜日 3時限
キャンパス


サブタイトル
文学作品の表現分析
科目のねらい
 「日本語学Ⅰ・Ⅱ」などで学んだことをもとに、「文章」という単位のテクストを用いながら、日本語の表現の特質について理解し、分析する力を養い、日本語研究・文学研究をすすめるために必要な能力を身につけます。
 具体的には、みなさんが小学校・中学校・高校の国語の教科書で目にしたことのある短編物語・短編小説などをテクストとして、そこに描かれているさまざまなことがらについて、「表現の分析」を試みていきます。〈読解〉=〈主題の追求〉のような高校までの読みではなく、〈授業の内容・計画〉に掲げたような観点からテクストを「分析する」ことを通して、日本語の表現の多様性に目を向け、これまでとは異なる文学作品の楽しみ方に気づいてください。
到達目標
1 文学作品の分析を通して、日本語の表現の様々な特質について理解する。
2 短編物語・短編小説を分析する際に活用できるいくつかの〈観点=ものさし〉を理解し、それに従ったテクストの分析ができるようになる。
3 グループでの意見交流により、自身の考えを他者に説明する力や他者の意見を理解する力を養い、自らの考えをより深めることができるようになる。
授業の内容・
計画
1 表現から読むとは 表現分析の概要の説明。
2 話者と視点(1)   文学作品における、話者(語り手)と視点について。
3 話者と視点(2)   一人称視点・三人称視点の特徴と表現効果について。
4 話者と視点(3)   視点の移動の表現効果について。
5 話者と視点(4)   二人称作品の表現効果について。
6 人物の呼称(1)   呼称にみる、語り手の意識について。
7 人物の呼称(2)   呼称の変化にみる、登場人物の変化について。
8 主役と対役      登場人物の設定について。
9 作品の構成(1)   対比の構造について。
10 作品の構成(2)   クライマックスと全体構造について。
11 オノマトペ       オノマトペの普遍性と独創性について。
12 色彩語         色彩語の暗示効果について。
13 象徴          象徴表現が作品にもたらすものについて。
14 表記          表記の表現効果について。         
15 まとめ         各人の分析の意見交換。
評価方法
(基準等)
1 授業中に提出を求めるミニレポート 50%
  ・授業の内容が理解できているか。
2 レポート「文学作品の表現分析」 50%
  ・授業で学んだ分析の観点に従って、作品を分析できているか。
授業外の学修
(予習・復習)
予習として
 毎回、その講で扱う【分析資料】を指示するので、熟読してくること。
復習として
 各自、任意の短編小説(ごく短いものでよい)を3作品準備し、授業で扱った分析の観点に従って、随時分析を試みること。分析内容は配布シートに記入し、第15回の講義の中で、分析したことがらについて意見交換を行います。
教科書・
参考書
教科書
使用しません。毎講、ハンドアウトを配付します。
また、分析の対象とするテクストは、【分析資料】として随時配付します。
相当な枚数になりますが、整理して毎講持参してください。

参考書
授業の中で、以下に掲げる書籍の関連する箇所を指示します。学びを深めたい時に活用してください。
1 多門靖容他編『ケーススタディ 日本語の表現』(おうふう 2005年¥1,800+税)
2 石黒圭『よくわかる文章表現の技術』Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ・Ⅴ(明治書院 2005・6・7年・9年 各¥1,900+税) 
参照URL
質疑応答
授業の前後に、3号館3階・文学部事務室(講師控え室)にて対応します。
なお、授業前(12:40~13:30)は、あらかじめメール(アドレスは備考欄参照)にてアポイントをとってください。
備考
欠席が3分の1を越えた場合は、単位を認めません。また、授業中の私語は厳禁です。

作品の分析などについて、グループで意見交流したり、全体に向けて発言を求めたりすることがあります。その際は積極的に参加してください。

連絡の際は、下記アドレスまで。
「件名」に学籍番号と氏名を必ず書いてください。
 i.yukari@nifty.com
画像
ファイル
更新日付2015/02/06 16:41:54