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科目のねらい | | 中国仏教にはその歴史を通じて、融合化、或は総合化するという大きな特徴があります。 例えば、中国で仏教を受容する段階では、仏典の内容を整理した新たな経典が著され(中国撰述経典)、また隋代に至っては天台智顗によってすべての仏典の教説が総合的に整理し大成される(天台学)など、数多の仏典に説かれる種々雑多な教えを、一貫した仏の教えとして全体的に把握して整理しようとする動きがありました。 この授業では、先ず、様々な仏説を整理する目的で著された中国撰述経典である『仁王般若経』と『菩薩瓔珞本業経』を取りあげて講読します。次に、すべての仏典の教説を総合的に整理・大成した天台学の概説書である『天台四教儀』を取りあげて講読します。これらの講読を通じて、中国仏教のもつ総合化という特性について考察を進めます。 また、護国思想や終末思想など、中国撰述経典と密接な関係をもつ思想についても併せて概説します。 |
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到達目標 | | 『仁王般若経』『菩薩瓔珞本業経』『天台四教儀』の講読を通じて、融合化・統合化という、中国的思想・思考の傾向を読み解き、理解することを目標とします。 中国において総合的に整理・大成された仏教の諸相を知ることにより、中国仏教のみならず日本仏教の思想的な展開を、具体的に理解できるようになります。 また、経典本文を読み進めることにより、漢文経典の基本的な読解力を身につけることも目標とします。 |
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授業の内容・ 計画 | | 1.中国仏教史の概説 2.中国仏教に関係する文献・データベースの紹介 3.『仁王般若経』の概要 4.『仁王般若経』の講読と思想的研究(1) 5.『仁王般若経』の講読と思想的研究(2) 6.『仁王般若経』の講読と思想的研究(3) 7.『菩薩瓔珞本業経』の概要 8.『菩薩瓔珞本業経』の講読と思想的研究(1) 9.『菩薩瓔珞本業経』の講読と思想的研究(2) 10.『菩薩瓔珞本業経』の講読と思想的研究(3) 11.『天台四教儀』と天台教学の概要 12.『天台四教儀』の講読と思想的研究(1) 13.『天台四教儀』の講読と思想的研究(2) 14.『天台四教儀』の講読と思想的研究(3) 15.春学期のまとめ
講義や漢訳経典の講読と併せて、中国撰述経典に関連する画像・映像資料も見ていきます。 |
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評価方法 (基準等) | | * 定期試験(60%)と、授業での小テストや小レポート(40%)に、授業態度を含めて総合評価します。 |
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授業外の学修 (予習・復習) | | 講義のなかで、多くの旧漢字や仏教用語を使用しますが、講義の進行上、それら一々について細かく立ち入って解説することは困難です。 復習として、講義の内容はもちろんのこと、講義のなかに出てきた旧漢字や仏教用語について必ず調べ、覚えるようにしてください。 また、予習として、講読する経典の該当する箇所を確認して、そのなかに使われている仏教用語について調べておいてください。 |
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教科書・ 参考書 | | ≪教科書≫ * 授業のなかで、適宜プリントを配布します。 ≪参考書≫ * 『仏教の東伝と受容』(新アジア仏教史6巻) 佼成出版社、2010年 【180.2/0625/6】 * 関口真大校訂『天台四教儀』 山喜房仏書林、1977年 【188/360】(書庫旧整理) * 池田魯參『現代語訳天台四教儀』 山喜房仏書林、2011年 |
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参照URL | | |
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質疑応答 | | |
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備考 | | * この講義の内容は秋学期の「中国仏教の思想Ⅱ」と連動しているので、「中国仏教の思想」Ⅰ・Ⅱと継続して受講してください。 * 講義中の入退室、私語、携帯電話の操作など講義に関係のない行為は禁止します。 |
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更新日付 | | 2015/02/07 17:53:06 |