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授業の概要 (目標) | | 保険(insurance)の中で、生命保険(life insurance)という英語はあるが、損害保険というピッタリの英語はありません。あえてこれを英語で表現しようとすれば、non-life insurance(非生命保険)ということになるでしょう。このことからも想像できるように、「損害保険」という言葉自体はきわめて日本的です。しかし言葉とは反対に、損害保険の内容そのものは世界的に通じる理論や考え方で構成されています。生命保険がきわめて日本的特徴を有していることと比べると、損害保険を学ぶことによって、世界共通の保険概念を学ぶことができます。 そこで、損害保険と生命保険を比較しながら、損害保険全体に通じる基礎的概念を理解することから出発します。その後、火災保険(地震保険を含む)や自動車保険などの各論に進みながら、現代社会における損害保険の全体像を捉え、一般企業に進んだ場合でも役立つようにすることを目標とします。 なお、損害保険論の講義はできるだけ具体的な例を上げて分かりやすくしますが、「保険論A・B」で学んだことが基礎になるので、保険論A・Bを修得した者か、保険論A・Bを同時履修することが望ましいでしょう。春学期に生命保険論を履修していれば、さらにわかりやすいはずです。 |
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授業の内容・ スケジュール | | ある程度、保険論A・Bの知識を前提として広義を進めます。それでも損害保険は専門用語や特殊な考え方が多いので少し難しいかもしれませんが、できる限りわかりやすく説明していきます。皆さんも身近な事故や災害をイメージしながら一緒に考えてくれれば、必ず理解できるし、役に立つと思います。ただし、損害保険論の知識が試験以外で役立つことがないように願っています。難しいにもかかわらず、合格率は昨年は少し下がりましたが(70%)、それまでは80%以上でした。皆さんもやれば出来ることを見せてほしいと思います。
1 損害保険論を理解するために(オリエンテーション)(第1講) 2 損害保険の基本的特徴(日本的な生命保険と比較しながら)(第2講~5講) 1)生命価値と財産価値:「被保険利益」概念の重要性 2)被保険利益と保険金支払い原則(損害填補原則、超過保険など) 3)損害保険契約の締結とその特徴(損害の種類、保険期間、担保危険、免責危険など) 4)損害保険契約後の重要事項 3 火災保険の種類と特徴(第6講~8講) 1)主要な火災保険(普通火災保険、住宅火災保険、価額協定保険)の特徴 2)火災保険と地震保険の関係(基本契約と特約の関係など) 3)火災と損害賠償(不法行為責任、失火責任法など) 4 交通事故と自動車保険:人身事故を中心に(第9講~14講) 1)交通事故の賠償責任と自動車損害賠償保障法(自賠法) (過失責任主義、運行供用者の概念と準無過失責任、免責3条件など) 2)自賠法と自動車損害賠償責任保険(自賠責保険)の関係 (賠償資力、政府保障事業、過失相殺と減額、賠償限度額など) 3)自賠責保険と任意保険の関係と相違点 (対人賠償の二重構造、共同不法行為、過失と任意保険など) 4)交通事故の変容と自動車保険の課題 5 損害保険論まとめと質疑応答(第15講) |
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評価方法 (基準等) | | 定期試験の結果を基準とするが、授業中に数回行う簡単なレポートや小テストの結果も20%程度加味して評価します。ただし、出席していれば、レポートや小テストための準備は不要です。ここ数年とにかく成績がいいので驚いています。皆さんもそうなって下さい。 なお、定期試験で60点以上あれば単位は与えるが、平常点がないと60点以上取ることは難しいので、できる限り出席して下さい。 |
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テキスト・ 参考文献 | | テキストは用いないが、重要参考書として田畑康人・岡村国和編著『読みながら考える保険論(増補改訂版)』八千代出版2013年(保険論A・Bのテキスト)を上げておきます。とにかくノートをしっかり取ることが重要です。 「保険論A・B」で上げた参考文献の他に、大谷幸一他編『はじめて学ぶ損害保険』有斐閣ブックス、鈴木辰紀著『自動車保険の現代的課題』などが役に立ちます。この他にも多くの文献があるので、興味のある学生は遠慮なく田畑に尋ねてください。なお、地域の図書館でも賠償責任や交通事故に関する本が充実している場合があります。 |
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参照ホーム ページ | | | | 1. | 日本保険学会 | | | 2. | 損害保険協会 | | | 3. | 損害保険事業総合研究所 | | |
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備考 | | 「保険論A・B」に加え、「生命保険論」も履修していると、より理解しやすいと思います。 |
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更新日付 | | 2014/08/15 11:32:57 |