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授業の概要 (目標) | | 高次脳機能障害は、失語、失行、失認、記憶障害、遂行機能障害などの部分的障害と情動障害、痴呆(認知症)などの全般的障害に分けられ、この中でも失語症は代表的で最も重要なものの一つである。希少症例の分析から始まった失語症研究は、fMRIなどの脳機能画像法の進歩によって近年めざましく発展し、ヒトが獲得した言語機能と脳との関係やその病態機構が明らかになりつつある。本講義では、言語情報処理過程を追いながら、最新の画像診断とともに病巣学的観点から体系的に概説する。GIO(一般目標)は言語情報処理過程を体系的に正確に把握し、主要な失語型の概念・症候・病巣を系統的に理解することである。SBOs(到達目標)は言語モダリティー(話す、聞く、読む、書く)別の言語情報の脳内伝達経路を学び、これらの障害によって起こる失語型・純粋型の症候と病巣との関連を統合的に説明、図示できることである。失語の理解は高次脳機能障害の端緒として必須であるばかりでなく、言語聴覚士の現場では、失語症は構音障害、嚥下障害、認知障害、言語発達障害とならび最頻である。 |
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授業の内容・ スケジュール | | 講義(What/Where/Howとイラスト)、学生による図示、臨床症例の検討を組み合わせて展開する。 1.序論(定義) 2.言語障害(構音障害・失語症) 3.言語の大脳局在論(側性化)と言語のモダリティー 4.言語症状と失語症候群 5.話すことの障害(ブローカ失語、純粋語唖) 6.言葉の理解の障害(ウェルニッケ失語、純粋語聾) 7.言い間違いの障害(伝導失語) 8.おうむ返しをする失語(超皮質性失語) 9.重度の失語(全失語) 10.ものの名前が言えない失語(健忘失語) 11.読むことだけの障害(純粋失読) 12.書くことだけの障害(純粋失書) 13.その他の失語 14.画像診断およびリハビリテーション 15.総括 |
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評価方法 (基準等) | | 講義時のポップテストによる形成的評価(30%):予習復習に活用と学期末試験(70%;禁忌問題あり)による総括的評価を行なう。遅刻,早退,私語,居眠り等の受講態度も評価の対象とする。 |
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テキスト・ 参考文献 | | 予習復習事項は毎回呈示.テキスト(予習復習に使用):R.L.Love著、神経心理学を学ぶ人のための基礎神経学、西村書店(2002)、5500円;紺野加奈江著、失語症言語治療の基礎、診断と治療社(2001)、3500円;藤田郁代著、標準言語聴覚障害学 失語症学、医学書院(2009)、5250円(最新標準版)参考:杉下守弘著、言語と脳、講談社学術文庫(2004)、960円(入門);酒井邦嘉著、言語の脳科学、中公新書(2002)、900円(難解);R.H.Brookshire著、神経疾患によるコミュニケーション障害入門、5880円(古典的名著) |
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更新日付 | | 2014/08/15 11:32:58 |