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授業の概要 (目標) | | 本年の講義テーマは「イギリス連合王国の成立」を予定している。 一般に、イギリスと言えばイングランド、イギリス人と言えばアングロ・サクソンというのが常識である。しかし、実際のイギリスは、連合王国という名称が示す通り、イングランド、スコットランド、ウェールズ、北アイルランド四地域の連合国家である。又、イギリスはゲルマン民族のアングロ・サクソン一民族の国民国家ではなく、アングロ・サクソンとケルト民族の民族複合国家でもある。各地域は、歴史的には別々の国家であったが、イングランドに統合されたのである。しかし、第二次大戦後イギリスは帝国から撤退し、加えて、冷戦終結後、ヨーロッパ連合EU統合が進展すると、スコットランドとウェールズは地域的、民族的、文化的自己主張を強めつつある。何故、このような連合王国解体の危機が生じたのであろうか。本講義では、このような問題意識を念頭に、連合王国の形成過程を論ずる予定である。以て、イギリス史研究には、イギリス=イングランドとする従来的なイングランド中心史観ではなく、四地域を包括するブリテン史British Historyという視点が必要であることを指摘したい。 |
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授業の内容・ スケジュール | | 1.プランタジネット朝① アンジュー帝国 2.プランタジネット朝② 大陸領土と国政改革 3.プランタジネット朝③ ケルト辺境征服の開始 4.英仏百年戦争 5.テューダー朝① バラ戦争~成立 6.テューダー朝② 国教会の成立 7.テューダー朝③ ウェールズ併合、アイルランド再征服 8.ステュアート朝① 1603年のイングランド、スコットランド同君連合 9.ステュアート朝② 17世紀の二度の革命 10.ステュアート朝③ グレート・ブリテン王国の成立、1707年のスコットランド併合 11. 1715年、45年のジャコバイト(ジェームズ派)の反乱 12. 1801年のアイルランド併合-連合王国の成立と「内政の癌」アイルランド 13. 1886年のアイルランド自治法案 14. 大英帝国の構造-帝国の中の連合王国、議会統合の意義と限界 15. 期末テスト
秋学期は、近代における連合王国の形成を論ずる予定である。 尚、便宜的に春秋に分けてあるが、テーマの性格上年間を通じて、一つのテーマを講義するので、受講希望者は、春秋両学期通して受講する事が望ましい。従って、秋学期は、春学期の講義内容を前提として行うので、秋学期受講者はそのつもりで受講する事。 |
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評価方法 (基準等) | | 講義内容の理解度が第一の評価基準。講義内容を徹底的に理解すること。それを定期試験における筆記テストで確認する。出席も評価の対象である。 定期試験90% 状況に応じて、平常点(授業参加度)10% |
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テキスト・ 参考文献 | | 参考文献として、川北稔・木畑洋一編『イギリスの歴史―帝国=コモンウェルスのあゆみ』(有斐閣、2000年、1900円)川北稔編『新版世界各国史 イギリス史』(山川出版社、1998年、3500円)を挙げる。それ以外の参考文献については、授業中、必要に応じて適宜紹介する予定である。 |
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更新日付 | | 2014/08/15 11:32:58 |