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授業の概要 (目標) | | 平安時代は天皇が唯一の絶対君主として確立しながらも、「摂関政治」、さらに本講では取り上げませんが「院政」と政治形態が複雑化していった時代です。「摂関政治」の成立過程は政争に敗れた敗者が御霊と化し、疾疫を流行らせた時代でもあります。御霊・疾疫は天皇の徳治を否定して、儒教的な徳治思想上で不徳の王から有徳の王への王統交代を促します。故に時の王権は御霊・疾疫への本格的対応を余儀なくされました。 本講義では第一に儒教徳治思想という文化的視点とその裏面の政治実態の二重性を学ぶことを通して、権力の正当化に対する鋭敏な政治感覚を養うこと、第二に都市京都の成立、御霊・天神信仰等の日本文化の形成に関する知識を獲得して、日本文化への理解が進むことを目標とします。 |
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授業の内容・ スケジュール | | 講義形式。スケジュールは以下のとおり。
1.はじめに―ガイダンスと理解のための基礎知識
第一部 平安京への遷都―桓武天皇の時代 2.光仁・桓武天皇の即位と「易姓革命」―天智系皇統の復活 3.平城京と疾疫流行―「千引の石」事件と渤海使の海難 4.長岡京―火=韓竃と水の結界 5.長岡京と疾疫流行―「御霊」早良親王と天然痘 6.平安遷都―秦河勝と園并韓神社/漢神殺牛禁制
第二部 摂関制の成立―「摂政」良房・基経の時代 7.ポスト桓武の時代―平城上皇の乱と天皇権力の確立 8.嵯峨上皇の平和―両統迭立と平安貴族社会の形成 9.「摂政」良房と清和天皇―幼帝出現と応天門の変 10.「摂政」基経と陽成・宇多・光孝天皇―陽成廃帝と「阿衡」事件
第三部 摂関制の確立と天神信仰 11.神泉苑・祇園御霊会の成立/「天神」道真と三河国設楽郡の設置 12.天慶八年しだら神上洛事件(1)―スサノオ=牛頭天王の復活 13.天慶八年しだら神上洛事件(2)―応神天皇の神託と朱雀・村上天皇/関白忠平 14.北野天満宮創建と『道賢上人冥途記』―藤原忠平・師輔の新「王権」創出 15.道長の「王権」―両統迭立と摂関家/仏教興隆の守護者 |
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評価方法 (基準等) | | |
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テキスト・ 参考文献 | | 【テキスト】なし 【参考文献】他に授業で紹介するので参照することが望ましい。 吉川真司『平安京』吉川弘文館 2002.10 ¥3.360【210.1/0507/5】 桓武~摂関制成立期の一般書 保立道久『平安王朝』岩波書店 1996.11 ¥680 品切重版未定だが王統論に絶好の書 |
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参照ホーム ページ | | |
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備考 | | 授業中の私語・携帯電話の操作は厳禁です。 疑問があれば講義中・後に気軽に質問してください。質問用紙も用意します。 |
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更新日付 | | 2014/08/15 11:32:49 |