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授業の概要 (目標) | | 近年、地域紛争の多発などから「暴力」に関する議論が高まっています。日本の歴史の中で暴力を体現する存在は何よりも「武士」でしょう。武士・鎌倉幕府に対して以前は、頽廃した都市貴族に代わり、農村出身の素朴な武士が新しい世を作り出した、とプラスの評価が一般的でした。『平家物語』『吾妻鏡』などで美化された虚像が歴時事実とされてもいました。しかし現在では武士像の再検討が進み、とくに鎌倉幕府に対しては東国の局地的暴力集団として厳しい評価を与える研究者もいます。本講義では、武士・鎌倉幕府を歴史実態的に学ぶことを通して実証的知識を獲得し、さらに美化された武士像による日本文化論に対して、現在の学問水準から考えられるようになることを目的とします。 |
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授業の内容・ スケジュール | | 講義形式。スケジュールは以下のとおり。
1.はじめに
第一部 虚構の武士像 2.日露戦争と武士像の創出―「脱亜入欧」の投影 3.鎌倉貴族の二つの武士像―『平治物語絵巻』『男衾三郎絵詞』
第二部 武士の成立 4.武士とは?―在地領主制論から軍事貴族論へ 5.騎馬個人戦の源流(1)―プロの弓矢・騎馬は都で発達 6.騎馬個人戦の源流(2)―蝦夷・俘囚と日本刀の成立
第三部 「源平」合戦の実像と鎌倉幕府の成立 7.大規模集団戦法の出現―「城」の攻防/工兵・農民兵の動員 8.騎馬個人戦の変化―「素人」土豪の大量参戦 9.敵方認定と恩賞―内乱と鎌倉幕府の成立 10.奥州征伐(1)―前九年・後三年合戦の再現 11.奥州征伐(2)―平泉占領/奥州の植民地化 12.承久の乱―西遷御家人の進出と東国暴力支配の拡大/「耳ヲ切リ鼻ヲソグ」
第四部 辺境の局地的暴力集団と東アジア社会 13.六波羅幕府と室町幕府―平氏政権の再評価 14.東アジアの「文」と「武」―中国・朝鮮半島・日本の武人政権 15.おわりに―武士と「日本人」 |
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評価方法 (基準等) | | |
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テキスト・ 参考文献 | | 【テキスト】なし 【参考文献】他にも授業で紹介するので参照することが望ましい。 山本幸司著『頼朝の天下草創』講談社 2009.4 ¥1,260 【210.1/0506/09】 一般向け 川合康『源平合戦の虚像を剥ぐ 治承・寿永内乱史研究』講談社 2010.4 ¥1,008 【210.3/0992】 一般向けだが内容豊富 |
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参照ホーム ページ | | |
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備考 | | 授業中の私語・携帯電話の操作は厳禁です。 疑問があれば講義中・後に気軽に質問してください。質問用紙も用意します。 |
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更新日付 | | 2014/08/15 11:32:49 |